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最初の一歩 ・ ・ ・ [働く為に ・ ・ ・]

先日、
3月に、障害者の雇用・就労と在宅就業への理解と拡大を願い開催するセミナー
「今、障害者雇用と在宅就業 CSRを考える」 

577-1 セミナー.jpg

に、
以前より、是非一度講師として出て欲しいと思っていた
市内にある、某大手地方銀行の人事企画課長さんと、
同銀行が昨年の12月に開設をした、障害者のための就労支援事業所「OKB工房」
お会いできることになり、行ってきました ・ ・ ・

  「OKB工房」 は、
     同銀行が、障害者の雇用に積極的に取り組むため、昨年の4月、同本店内に
     特別支援学校を卒業して入行した職員が中心となり、一般的事務業務のほかに、
     全支店で使用する装飾品やノベルティなどの創作業務を行っていたのですが、
     “障がい者のより働きやすい環境を整備する” “地域経済の活性化に貢献する”
     ため、地元商店街の空き店舗を借り上げ、昨年の12月開設したもので、
     両隣には、「子育て支援センター」と、県内企業が”地域の授産所で作られた
     小物等を販売と喫茶コーナーを開いている「OKB牧場」もあり、大手繊維工場が
     撤退し、その跡地に大型商業施設等が出来たこともあり、空き店舗が増え
     寂しくなる一方の商店街の中で、その改装のデザイン性の良さも手伝ってか
     その一角が、とても明るく活き生きと輝いて見え、期待感からか 私には
     ここから何か新しい街づくりが始まる様な気さえしました ・ ・ ・

この印象は、「OKB工房」の中に入った途端に確証に変わりました ・ ・ ・

丁度、この日は風邪で欠席している人が多いとで、
地元の特別支援の高等部を卒業したという2人の女の子と、
職場体験実習に来ているという、同じ学校の高等部の男の子の3人だけでしたが
「こんにちは お邪魔しまぁ~す」 と言って入っていくと、
少し戸惑ったり、照れくさそうだが、直ぐに 「こんにちは!」 と返ってきた ・ ・ ・
その後は、話をしている私達の方を見ることなく、
それまでやっていた仕事(各支店向けの、店舗飾り用の折り紙など)を黙々と ・ ・ ・

伺った時間が遅く、暫くすると終業の時間になり、
一日の反省や明日に向けての話し合いの終礼があり
別室の更衣室で着替えを済ませ、出てきた3人の”お洒落”なことと、
帰りの”あいさつ”の、元気で活き生きとしていて、心から・・・が伝わってくる様子に
何とも言えない熱い思いがこみ上げそうに ・ ・ ・

この日お会いした、此処の担当者
もしかすると、私が伺うというので気を遣って着替えて頂いてたのかもしれませんが
さすが銀行マン!? バッチリ髪はキマリ、ダーク系のスーツに名札の出で立ちで
もしも、これで毎日接していられたら???と気になりつつも
子供達に接する時の言葉や態度も、
私の既成概念がきついのか、銀行マンの礼儀正しさと堅さが残っている様な気が ・ ・ ・
でも、それだけに一生懸命さが伝わってきて、
とても優しくて、丁寧で、心というか人柄がこもっている様で ・ ・ ・

そんなことの現れの一端が

577-2 OKB 面倒みの良さ.JPG

今は、まず簡単ですが出来る所から・・・と取り組まれている、
各支店のディスプレー等に使用する、月々季節感等を盛り込んで作られる折り紙も
単なるお遊び程度の出来映えでは・・・と、とても良質な紙を使い、折り方の質も厳しく、
その為の指導用、特に言葉による説明が理解できない子のためにと、
毎月、まず担当者が折り方の手順書を作成されるとか ・ ・ ・

当然、仕事だから一日のノルマも設けられているようで、
分担して作ったものをセットにし、小さな段ボール箱に詰めて各支店に送りだす ・ ・ ・

一見、単純な作業の繰り返しの様に思えるが、
まだまだ受け入れる社会が整っていない中、どんなに重い障害をもっていても
人とのコミュニケーションが美味く取れなくても、
社会の中で、沢山の人と一緒に、同じ目的に向かって何かをやれる、やろうと思える
そんな場がドンドン増えていって欲しいし、
そういう動きの中で、障害の有無や、程度云々とは別に、
人として、一人の人間として、
社会の中にしっかりとした自分の居場所、活かせる場所が見つかり持てる日が
少しでも早く来ることを願わずには ・ ・ ・

そういう意味からすると、

   実は、この銀行
   私が伺う前日に、所管の労働局長より
   「法定雇用率の未達成と取り組みの遅さ」で厳重注意があったとかで、
   課長さんはじめ、かなり落ち込んで居られましたが

現行法において、ともすると雇用達成率のような数値目標だけが先を走り
個々の障害も含めた特性や性格と、希望などを十分把握しないまま
その数値達成のために送り出す? はめ込み勝ちな取り組みがドンドン増え
その為に、長続きせず直ぐに辞めてしまうケースが多く、
法定雇用率が取り上げられる時、JJマジックとさえ云われ始めている中で
もしかすると、
いや! これからの障害者の雇用・就労においては、
雇用率ではなく、 定 着 率 を考え、重視すべきではないでしょうか!?

こう考えた時、
今回お邪魔した「OKB工房」の様な取り組みは、
まだ一歩を踏み出したばかりで、まだまだ難問・課題も多いとは思われますが
こうした企業や、お会いした人事企画課長さんや担当者の方始め
障害者の雇用・就労を理解し、指導・支援して頂ける人達が少しずつ増えていくことは
とても大きな心の支えであり、励みとなる事は間違いなく
大いに期待すると同時に、
私達障害当事者も、
そうした動きに、その中からの求めに、少しでも応え、ついて行ける様に 
それぞれの立場と状況の中で、 努 力 し 頑 張 ら な い と!


   -----------------------------

   《 今日の時計 》

577-1or3 OKBor時計.JPG

                 終業後のOKB工房と壁の時計











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コメント 14

斗夢

>所管の労働局長・・・
現状を見てよいところは褒め、悪いところは注意する・・・なんてことはしないでしょうね。
ただ集めたデータで判断をしているんでしょう。
by 斗夢 (2012-02-12 06:33) 

スナフキンの子

お早うございます。たいへんご無沙汰をしております。
企業の障害者雇用、雇用率についての弊害や問題は、徐々に明らかになりつつあるようですね。企業さんは、法律で決められたので雇用しなければならないのですが、どの様に対処したらいいかのノウハウはほとんど持っておらず、障害者雇用をうたっている一流企業も実は、現場のパートさん任せ(いじめの温床だったりもします)、挙句の果てに知的障害の方は難しいから、精神障害の寛解状態の方ばかり雇用するという状況に移行しつつあるように見えます。ジョブコーチも一生ケアしてくれる制度ではなさそうですし
少々、心配な分野です。
by スナフキンの子 (2012-02-12 08:26) 

mimimomo

こんにちは^^
皆様自分の適所で頑張っていらっしゃいますね。
世の中には元気で働けるのに贅沢言って働かずに、生活保護など受けている厚かましい人もいるというのに、
ほんとうに頭が下がります。
お上は、兎に角数字だけが頼りで、それ以外には目を配らないのでしょうね。困った悪習です。
by mimimomo (2012-02-12 12:56) 

MADONNA

毎日、毎日、ルーチンワークのように同じ仕事も良いのですが、自分の能力を少しずつ向上していける「脳にやさしい=活性化」していくことで、楽しくなが〜く定着したお仕事というのは理想だな〜そうなったらいいな〜と思います。

作業所や企業で働いている人の 直近の課題は「早期の認知症です」
同じ毎日をすごしていると 脳の前頭葉に「刺激がおきなくなり」歯をみがくこともできなくなった〜という生活力の低下が課題となっています。

我が家も4月以後、家庭で何をどのようにプログラム・課題を作って 負担が軽く 長くできて 達成感のある「脳の活動」を継続させていくか・・悩んでいるところなんですよ☆

by MADONNA (2012-02-12 12:59) 

楽しく生きよう

定着大事だと思います。
それに応じた補助であって欲しいですね。
by 楽しく生きよう (2012-02-12 13:49) 

okko

JJマジックって、聞き慣れない言葉ですが???
本当に雇用率ではなくて、定着率が大切ですねぇ。
by okko (2012-02-12 15:05) 

miopapa

【okkoさん】
  またまた、説明不足で申し訳ありません。

  JJマジックとは、
  国の障害者の雇用率の算定が、毎年6/25に行われ、
  翌年までの一年間は、その結果が表舞台で一人歩きをします。  と言うのも、その翌日に止めても、それは何処にも現れません。  だから、表向き達成されていても、実際には止める人が多くて
  必ずしも現状とは・・・、でも、敢えてそれでよしとしている様な
  ところもあり・・・
  と云うよりも、今回書きました様に、本来就職のための指導を
  したり、橋渡しをする立場の人達、自立支援法の取り組みの
  中で障害者の雇用・就労の支援の中核として動かなくては
  ならない機関や、特別支援学校の進路担当先生やハローワ
  ークの障害者担当始め、我が県なんか県単で職業コーデーネ
  ーターなるポジションを作り、何故か、特別支援学校の校長先
  生のOBをあてているのですが、こともあろうに、その人達です   ら、目標として掲げられた数値目標の達成が優先され、新年
  度が始まるとソソクサと企業や支援機関・団体に来て
  「とにかく、7月以降止めても良いですから就職に・・・」
  と言う始末で。
  そうした裏での不思議さ、カラクリを皮肉って、この六と七月の
  英語の頭文字に引っかけられているようです。

by miopapa (2012-02-12 19:30) 

yakko

こんばんは。
「OKB工房」さんにはガンバってほしいですね。
by yakko (2012-02-12 22:57) 

向日葵

またまた心強い「同士」との出会いですね!

こういった「出会い」が次々、miopapaさんに訪れるのも、
普段から地道に、奮闘努力成されているのを、皆さんが知っており、かつ、心から応援されているから、だと思います。

ふれっ!ふれっ!miopapaさん!!!
by 向日葵 (2012-02-13 01:03) 

Silvermac

雇用する側、される側の意識向上が必要な気がします。
車椅子バスケットを見ていたら健常者よりスゴイ、ビックリしました。
by Silvermac (2012-02-13 10:06) 

風子

とてもとてもとても(笑)遅くなりました。
今年もよろしくお願いします♪
たくさん勉強させてください。^^
by 風子 (2012-02-13 11:41) 

の

ですネ~('_')
障害者の雇用・就労等を支援してくれる人達が増える事!
確かにそう思いますデスゥ

by (2012-02-15 02:07) 

ささ

難しい問題ですね。
「適材適所」で雇用が広がると良いですね。
by ささ (2012-02-19 00:13) 

さきしなのてるりん

どこかの大企業では、障碍者を雇うより罰金を払ったほうが安上がりとかで雇わないでも平気でいるとか。しかし、就職しても、いじめられて、、、という話はよくあります。地域全体が障碍者にやさしい環境になってほしい。いじめの原理はいじめる側にも程度の差こそあれ、何らかのストレスがかかっていることが多いと思っています。それも取り除かなければ、ならないのだろうと。そうするには、もっと根源的な、制度設計が必要なのだと思われます。健常者にとってゆとりのある職場は、障碍者にとってもゆとりがあるのではないかと思います。一般の国民がゆとりを持てる国は、障碍者にとってもゆとりがあるのではないかと。OKB工房は、そういう意味で、ゆとりのある居場所なのだなぁと、うれしくなります。
by さきしなのてるりん (2012-03-29 19:08) 

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